曲名 作曲者 この曲について(荻野考)
幻想小曲集Op.12-2
『飛翔』
Robert Schumann
(シューマン)
シューマンは初期ロマン派の中心的な3人の1人で、彼のほかには、ショパン、シューベルトがいます。私が実際に弾いてみて思ったのは「シューマンは難解だ」ということです。技術が難しい、という意味ではなく、弾いていても作曲の意図がつかめない、何を弾いているのか自分でわからなくなる、というような、そんな感に襲われます。

そこでまず私が気をつけたのは、シューマンの生涯とはどんなだったのか知ること、でした。より曲を理解するためです。そして調べていて分ったのは、シューマンの曲は生活と音楽が密接なかかわりを持ち、シューマン個人が表現されているということでした。

彼は文学や哲学に心酔していました。また、法律を学ぶために大学へ通いましたが、講義に出席するはずの時間にピアノを練習したり、詩的交流をしていたのです。そして大学に2年いましたが一大決心をしてピアニストを目指すことに。(この時シューマンは母にあてて心の苦悩と自分のこれからを綴った手紙を送っています)

誰でも「薬指」は弱いのでみなさん苦労していることと思いますが、シューマンも同じでした。ピアノの技術取得への近道を取ろうとして、シューマンは「薬指(第4指)のための強化機械」を作り、練習したそうですが、無理やり4の指を動かしたためでしょうか、右手を永久に痛めてしまったのでした。1832年のことです。
ピアニストへの道を断念したシューマンは彼の「天職」ともいうべき作曲家へ転身しました。

この『飛翔』が作曲されたのは1837年です。文学的標題性をピアノ曲に持たせた小曲集で、時期的にはクララとの結婚の許しを得るためにピアノの恩師であり、クララの父であるヴィークと闘っていた時です。

荻野が『飛翔』で思いますのは、曲の中に繊細な心の動きがあり、「希望」と「ロマンティックな光景」と「不安」とさらには「絶望」が混在している感じがするのです。そして内面に秘められた、ものすごい激しい感情をも感じられるのです。

演奏の技術面ではかなりの「ワザ」を要求される曲ですが荻野講師の見解では中級レベルとしています。ピアノの上で自由に『手』が飛べればOKでしょう(^o^)
左手は88鍵のピアノの一番左側から白鍵3つめの「ド」のあたりまで飛び、真中に素早く戻ります。
右手はロマンティックに華美に繊細に。・・・そう弾くためには毎日のたんたんとした指練習(機械的だ、と思われがちな曲)が絶対必要です。

シューマンについてはこれだけでは不十分なのですが少しだけ抜粋して書かせていただきました。曲については違う見解の方もいると思いますが、あくまでも「荻野考」ということでお許しくださいね!

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